廃校に思う

かなり長いこと眠り続けていた。このまま眠り姫になってしまおうか、馬鹿な考えしか浮かばない。お布団と一体化したい。

なんとか起きて、お散歩しに行った。前日の疲労感を疲労感で迎え撃つために。隣の校区の小学校まで歩いた。縁も所縁もないが、その校区内に書道教室がありそこへ通っていたので、多少はその地を知っている。今はもう書道教室も、隣の校区の小学校も廃校になってしまっている。山奥の小学校が町の小学校へ統合されるなんてよくある話。

小学校の水飲み場に腰を下ろしグラウンドを眺めていた。誰もいない小学校は雑然としていて、植えられていた植物も枯れ放題になっているし、校舎の中に入れなかったが窓から覗く限り、蜘蛛の巣が張っているところも多く見受けられた。知らない小学校なのに少し侘しさを覚える。私が通っていた小学校ももう直ぐ廃校になるらしい。子供が少ない学校を存続するのには維持費や人件費がかかり過ぎるのだろう。それよりも町の小学校に統合してスクールバスを出す方が費用を抑えられる。自分の通った小学校がなくなるのは、例えそこに苦い思い出があろうと一抹の寂しさを拭えないものだ。隣の校区の小学校を眺めて自分の通っていた小学校に重ね合わせてみる。誰も手入れをすることのない冷たい校舎の淋しさに心の痛みを覚えた。

今日、寝すぎてしまったので積読タワーを消化する予定が台無しである。返却期限の迫る本もあるというのに……。時間は取り返せない。併合される小学校の予定も積読消化できなかった今日の日も。なんとも侘しいことである。